2017年01月03日
最近では、家族葬と同様に、密葬をとり行なう遺族が増えてきています。この形式が家族葬と異なるのは、火葬までの葬儀を遺族や近親者だけで行ないますが、その後に本葬を行なうことを前提としているという点です。通常、本葬は日をあらためて、祭壇に火葬を終えた遺骨を安置して行ないます。これが告別式となります。この葬儀が行なわれる事情は多種多様です。故人や遺族の希望による場合もあります。故人が自身の葬儀による家族の金銭的負担や精神的・肉体的疲労を軽減したいと望む場合もありますし、遺族が身内だけでゆっくりと故人との最期の別れをしのびたいと希望することもあります。
また、故人の社会的立場が大きかったり、あるいは著名だったりした場合にも行なわれます。遺族が面識のない人、まったく知らない人が多数集まり、葬式が混乱することをあらかじめ回避するという場合もあります。時には、遠方で亡くなった場合や、伝染病で亡くなったので火葬を急がねばならなかった、などの特殊な事情による場合もあります。密葬に共通している点は、葬式を遺族あるいは故人ができるだけ静かに内輪だけでとり行ないたい望んでいることです。
後で故人の逝去を知った人は、せめて御香典を贈りたいと思われる人もいるでしょう。生前の故人との関わりが非常に深かった人は、葬式が終わった後に自分のその意思を遺族に伝えてもよいと思います。その場合は、このような形の葬儀にしたということの意味や事情をよく理解し、わきまえた態度をとることがマナーとして必要です。また遺族は、葬式後できるだけ早く周囲の人に故人の逝去を知らせます。密葬にしたこと、納骨を済ませたこと、香典を辞退することなども記し、生前の厚誼に対する感謝の言葉を述べます。